卵の殻が割れるとき

1年にわたりこちらの方でブログを書いてきましたが、もとのBloggerに帰還することにしました。現在はこちら→http://ichiharu-bl.blogspot.jp/

話題のグルビスのフォアについて考察する

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 今グルビスがアツイ!!

 とかいうとなんだか煽りみたいでイヤなんですが、先日のデルレイビーチ優勝でにわかにグルビスに注目が集まっています。なんでも改良されたフォアハンドでかつてない安定感を得たとか何とか。今日はそんなグルビスのフォアハンドについて語っていきたいと思います。


以前のグルビスは…

 グルビスのフォアハンドといえば、「威力は凄まじいが、驚くほど安定しない」というイメージがありますね。その時の調子次第というか、簡単に暴発してしまうというか…。最大の武器が同時に最大の弱点である稀有な例だと思います。

 これは以前のフォアハンド。


Ernests Gulbis practice RG '11

 あらためて見ると、やはりグリップはだいぶ厚いですね。身体の内側でコンパクトにテイクバックし、前方に伸ばした左腕を引き込む反動を利用して急激にヘッドを加速させています。かなり身体に近い打点で、正面を向いてインパクト。屈曲の強いダブルベンドです。フォロースルーは小さく左脇に。

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 こちらの静止画ではインパクトがはっきりわかりますが、厚いグリップに対してかなり人差し指を立てて握っていることがわかります。人差し指が立っているということは、手首の固定はかなり強い。確かにここまで厚いグリップで反動を使って打つのであれば、このくらい手首を固めないと不安定極まりないでしょう。いくら厚いグリップであっても、手首の固定が強く、コンパクトなスイングで打つのであれば、どうしても球質は厚い当たりのフラット系になります。これは以前の彼の持ち球に矛盾しないと思われます。


リニューアル後は…

 さて、では今現在のグルビスはというと。


Ernests Gulbis' new reworked forehand

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 驚くことに、もともと分厚かったグリップがさらに分厚くなっています!これはもはやバックハンドイースタンと変わらないのでは?というレベル。

 しかし一番の変化はやはりテイクバックでしょう。以前は前方に差し出していた左手もかなり上方に、一方で右腕のテイクバックは以前とは真逆で、肘を伸ばして大きく後方にテイクバックしています。特筆すべきはその際にグリップエンドからでなくラケットヘッドから引き始めている点でしょう。そのようなテイクバックをする選手は他にもいます。

 例えばソダーリング。


HD Soderling / Melzer Practice 1/3 2011

 あるいはシャルディ。


ジェレミー・シャーディ(Jeremy Chardy)(23) RJO 2010

 非常に厚いグリップの選手に多くみられるテイクバックですが、よく見てみるとグルビスはバックハンドでもこういう引き方をしているんですよね。以前のフォームでも若干ながら似たような部分はみられますので、おそらく彼にとっては割と自然な動きなのでしょう。


新フォームのメリットは?

 グルビスにとって新しいフォームのなによりのメリットは、テイクバックが速く完了すること、そしてテイクバック後にじっくりボールを待つことができる点。これが一番大きいのではないかと思います。

 これまでは反動を大きく使うために、ボールがある程度飛んできてからテイクバックしていましたし、テイクバック後即座に振り出していました。それがフォームが大きくなったことで、ある程度ゆったりとした動きの中でボールを捉えることができるようになったと思います。あとは変則的なフォームですので、相手もコースが読みにくいといったことはあるでしょうね。

 この種のフォームは私自身も似たようなことをやっていた時期がありましたので、実は多少の思い入れがあります。しかしグルビスにとって今のフォームが適しているかというと、それはなんとも言えないところです。現状として浅いボールや低いボールに対しての処理はまだまだぎこちないところがありますし、あくまで発展途上であり、ここから更に変化すると考えるのが妥当なのではないかと思います。あとはやはりちょっと不恰好ではありますので、もう少し美しいフォームになってくれると嬉しいですね(笑)。

 願わくは、ソダーリングのような鬼フォアに進化してくれることを!